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名産「神埼そうめん」は現代では素麺と書かれていますが、古くは索麺と書かれて居りまして奈良東大寺が建立され唐の高僧「鑑真」が来朝した奈良時代(八世紀)に伝来した菓子の一種であったものを日本風土的好みに改良され今から三百七十年前の寛永十二年の晩秋小豆島より行脚遍歴して来た一人の雲水が当町一丁目に住む一人の行商人に手延べそうめんの製造の秘法を伝授したのが始りと伝えられております。
そうめんの町として誇る神埼町は北に脊振の連邦を望み南は不知火燃ゆる有明海に面し気候温和にて脊振に発する城原川の清流と当地に産する小麦は製麺に最適で幕末より明治初年頃には三百余軒あり軒並に真白い「そうめん」の白糸が垂れ下がり田舎の素朴さの中にも一大偉観を呈して道行く人々の目を見はらせ益々神埼そうめんの名声は四方に高くなったのであります。
開店以来三百年創業六代目の伝統を持つ「入船印」の麺類は品質本位にして原料精選量目確実殊に乾燥充分なるを以て釜増多く腐敗変味せずに久しきに従い益々品質を佳良ならしむ「入船印」麺類製造方は先祖代々の要諦に依り塩水の濃度こね方の軟硬捏ねてから切出す迄の蒸し加減により麦粉中の蛋白質麺麩素が充分に出来てから切出し及乾燥方研究を怠らず美味滋養経済を主眼として代々製造に当り来たので年々隆盛に相趣きまする事は勿論、需要家各位の御援助の賜であり多面諸彦の御認識の向上を物語るものであります。
尚此上共御指導御援助御引立の程一偏に伏して御願申し上げます。
主人敬白
~「創業六代神埼そうめんの支を里」より
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